これまで、自分が音や光、人とのやりとりなどによって疲れやすいことは人生の様々な場面で思い知ってきました。
- 休日に人に会う → 一人で静かに休めない → 翌週はずっと疲労感。
- 人混みで長時間。人々の声や存在感が洪水のように襲ってきて、立っているのも辛くなる。
- 人の気配を感じると眠れない。ちょっとした物音で起きる。耳栓必須。
- 光の刺激で気分が悪くなるので部屋は暗め、サングラス大好き。…などなど。
とはいえ、自分の疲労感をありのままに出しては社会生活が回りません。職場でも友人の前でも普通の顔をかぶって生活してきました。
自分も疲れるけれど、他の人もこの苦しさを我慢して生きているのだろうと思っていたのです。
ですが、周囲の人たちは業後に自発的に同僚と飲みに行ってストレス発散(?)。休日はサークルに参加したり、友人と会ったりしています。しかもそれが「楽しい」と感じられているようです。
「もしかして、普通は休日に他人と過ごしても平気なのか?自分はおかしいんじゃないか?」と自問自答していたところ、興味深い本に出会いました。
脳科学医が教える他人に敏感すぎる人がラクに生きる方法(高田 明和 著)
「HSP(Highly Sensitive Person):非常に敏感な人」という概念と、敏感な人が生活していくための工夫について書かれています。
「HSP」の特徴は、光、音、におい、人の表情や感情という外部の刺激の影響を大きく受けて敏感に反応しやすいということのようです。
初めて概念を提唱したエレイン・N・アーロン博士によると、世界の約20%の人が他の人よりも敏感で刺激に対して非常に反応しやすい気質を生まれながらに備えているのだと言います。
これは人に限らず、犬や猫、ハエなどの昆虫類にまで共通するもので、生物にとって必要な気質と言えるのだそうです。
種の生存戦略として、一定割合で刺激に敏感な個体が現れると考えれば納得。全滅を避けるために危機を察知する必要がありますから。
親には「あんたは赤ん坊の頃から、ちょっと変わったことがあると大泣きして手に負えなかった」とよく言われていました。1/5の確率で「敏感組」に該当してしまったのかもしれませんね。
エレイン・N・アーロン博士によるHSPセルフチェックテストで試してみたところ、ほぼすべての項目(20項目/23項目中)に該当します。
もちろんこれだけで自分がHSPかどうかはわかりませんし、どちらでもいいと思っています。
大事なのは、この本に書かれている内容がとても自分に合っていたということ。今後の人生を最小出力で乗り切る工夫を示唆してくれたと思うのです。
超過敏な人は、とかくそうでない人たちの基準に自分も合わせようとします。
本当はストレスがたまっているのに、他の人たちはこれくらいでストレスとは言わないから、自分の我慢が足りないだけと考えがちです。その結果、体調不良の原因がストレスであることに思い至らず、あるいはストレスのはずがないと決めつけてしまい、不調が長引くことになります。
(中略)
ストレス耐性は人によって違います。ストレスを受け続け、我慢し続ければ耐性がつくということは決してありません。ある種のストレスは考え方を変えることで受け流せるようになるでしょうが、自分を取り巻く人間関係や、物音、匂いなどは考え方でどうにかなるものではありません。
(中略)
大切なことは、わが身の「敏感さ」を受け入れて、その上で自分の長所を見つけることです。得体の知れない「普通」を求めるのではなく、自分らしい生き方を見つける、それこそが真の生きやすさにつながるのです。
脳科学医が教える他人に敏感すぎる人がラクに生きる方法(高田 明和 著)より引用
「得体の知れない”普通”」という言葉が、とてもいい響きですね。本当に「普通」って人それぞれ。
現在の、”セミリタイアして余暇にブログを書く”という過ごし方も、疲れやすさは歳のせい?努力で改善できるのか?で書いた体力維持の工夫も、自分なりの「普通」なのだと自信が持てました。このまま続けていきますよ。