HSP(敏感すぎる人):過敏さの原因に合わせて対策を考える!

Published / by mimijiro

以前、「人に疲れるのは気質だった!「敏感すぎる人(HSP)」という概念」というタイトルでHSPに関するブログを書きました。

HSP(Highly Sensitive Person:敏感すぎる人)とは、音や光、匂いなどの外部刺激に敏感、人の表情や感情によく気がついて影響を受けやすいといった特徴をもつ人たちのことです。

みみじろー自身も、かすかな光や物音に大きなダメージを受け、あらゆる人付き合いに疲れながら生活してきました。

その分、刺激との付き合い方はベテランの域。

睡眠や仕事、さまざまな場面で少しでも暮らしやすくなる工夫を重ねてきました。

>>> 疲れているのに眠れない!敏感すぎる人(HSP)のための「厳選」快眠アイテム

>>> HSP(敏感すぎる人):仕事に疲れた!何もしたくないときの回復術

今回も、過敏さを少しでも楽にして暮らしやすくなる対策法の話。

過敏さにもいろいろな背景があって、自分の傾向を理解することでより快適さへの対策がしやすくなるようです。


過敏な人の脳では何が起きている?

参考にした本は、「過敏で傷つきやすい人たち (岡田尊司 著)」。著者はご自身も過敏さをもつ精神科の先生です。

この本では、40項目のチェックリストをもとに過敏のタイプを以下の3つに分けています。

  1. 神経学的過敏性
    一般的に遺伝要因や生まれ持った生得的要因が強いと考えられているもの
  2. 心理社会的過敏性
    養育要因や社会的体験、愛着対象との関係などが強く影響していると考えられているもの
  3. 病理的過敏性
    身体的な症状や精神的な症状を引き起こしやすい傾向

みみじろーの場合は、

  • 神経学的過敏性:9点/10点
  • 心理社会的過敏性:8点/10点
  • 病理的過敏性:5点/10点
  • 合計スコア:22点/30点(過敏な傾向が中等度認められる)

つまり、生まれつきの過敏さが強くて、「刺激=怖い」と後天的に繰り返し学習した結果、いろいろな刺激に対して敏感すぎる反応を示しやすくなったということなのでしょう。悪循環です。

過敏な人の脳は、脳への情報入力を抑える力が弱く、刺激に対して神経が興奮しやすいうえ、リラックスして興奮を抑える力が弱い場合が多いそうです。

だからこそ悪循環が起きやすいのですね。なんだか不便です。

でも、この特徴を理解してこそ、次の対策方法が生きてくるのです。


過敏さのタイプ別対策法

1. 『神経学的過敏性』は刺激のコントロールでかわす!

刺激を強く受け止めてしまう体質は生まれつき。だとすれば、刺激を少なくするのは有効な方法です。

視点は以下の3つ。

  • 刺激量を下げる
    (静かですっきりした空間で過ごす、考え事を長引かせない)
  • 刺激を予測がつくものにする
    (生活や活動を構造化して予測がつくように整理する)
  • 安全限界を超えない
    (限界を越える前に生じるかすかな兆候を見逃さない)

このあたりは、日々の取り組みにすでに生かされています。自分のやりかたも捨てたものじゃないと一安心しました。

>>> HSP(敏感すぎる人)が仕事でぐったりする理由と疲れる前の予防法

みみじろーのこれまでのアプローチは、おおむね刺激を減らす、ゆっくり休息をとって回復をすることに偏っています。

でも、どうやらそれは神経学的なアプローチだったとわかりました。

それでは、心理社会的過敏性にはどんな対策をしたらいいのでしょうか?


2. 『心理社会的過敏性』は認知にはたらきかけて幸せに!

これまで書いてきた通り、みみじろーは人と接するとすごく疲れます。

>>> 人見知りの会話術:「人の記憶は鉛筆書き」

まったく人に会わないわけにもいかないし、そもそも過敏さが減ることなんてあるのでしょうか?

けれど、後天的な『心理社会的要因』に認知面のアプローチをすることで、過敏を改善して幸福に生きられる方法があるというのです。

幸福であることへの遺伝要因の関与は36%。人生に満足していることへの遺伝要因の関与は32% (中略)
三分の一程度は遺伝子によって決定されていますが、残りの三分の二は環境因子によって決まるということになります。

生まれつきの過敏さがあっても、6〜7割方は工夫と努力でなんとかなるのですね。そう思うと頑張ってみようと思えます。

アプローチ方法は大きく分けて3つ。

  1. 認知を二分法(肯定的か否定的の一方に偏りすぎ)を克服した、バランスの良いものに変える
  2. 物事を自分の視点から離れて見えるように訓練する
  3. 安全基地の機能を高めたり、うまく利用したり、さらには自分の中に安全基地を確保する方法を身につける

著書にはさまざまなエクササイズが挙げられているので、詳しく知りたい方は読んでいただくといいかもしれません。

みみじろーが特に着目したのは3の『安全基地』です。


「安全基地」は、過敏さをラクにする最終兵器だった!

過去の境遇よりも、認知のバランスの良さよりも、過敏さの低下にいちばんおおきな影響があるのが、『安全基地が機能していること』なのだそうです。

(安全基地とは)
アメリカ合衆国の心理学者であるメアリー・エインスワースが1982年に提唱した人間の愛着行動に関する概念である。子供は親との信頼関係によって育まれる『心の安全基地』の存在によって外の世界を探索でき、戻ってきたときには喜んで迎えられると確信することで帰還することができる。現代においては子供に限らず成人においてもこの概念は適用されると考えられている。
ウィキペディア『安全基地』より引用

安心できる関係が築けている人が身近にいると、こころが安定して過敏さにとらわれすぎず、幸せに生活できるということでしょうか。

みみじろーの場合、もっとも身近なのは一緒に住むオットのこたぬきさん。

ただ、これって人間関係。いい大人同士なのに一方的に「私の安全基地になってください!」というのは虫が良すぎます。

相手に安全基地になってほしかったら、自分が相手の安全基地になるように努力するのが一番近道なのです。

ですよねー。

相手の安全基地になるためには、「NOよりもYESを多く」「自立と依存をバランスよく」など、いくつかのコツがあるようです。具体的なエクササイズも書かれていたので、ぜひ試してみたいと思います。

もちろん、相手に頼るだけではありません。

われわれにできる最善のことは、自分自身が自分の安全基地になるということかもしれません。
そのためには、うまくいかないことで自分を責めないことも大事でしょう。人に求めすぎず自分なりにやってみようとすることも大事でしょう。

自分で自分を支えて落ち着かせることができれば、余裕を持って身近な人とも安心できる関係がつくれそうです。

認知のあり方も、人間関係も『バランスが大事』ということがよくわかりました。


みみじろー夫妻が目指しているのは、夫婦でアーリーリタイア。

リタイアしたら、一緒にいる時間がより長くなり、お互いにとって存在がより大きなものになっていくことでしょう。

お互いの安全基地になることを双方が意識できれば、最強のコンビになれるかもしれません。

過敏なみみじろーでも、安心して夫婦で思い切ったチャレンジができる!人生楽しくなりそうです。

その日が来ることを目指して日々のエクササイズに励みますよ。