HSP(敏感すぎる人)が仕事でぐったりする理由と疲れる前の予防法

Published / by mimijiro

以前、「人に疲れるのは気質だった!「敏感すぎる人(HSP)」という概念」というタイトルで、音や光、人の気持ちや雰囲気などの刺激に敏感に反応しやすい特性について書きました。

人の言葉のスルー力や、外的な刺激を防ぐためのさまざまな便利グッズの使い方など、過ごしやすくなる工夫を重ねています。

とはいえ全ての刺激を取り除けるわけではありません。特に職場では、入ってくる刺激と自分の感覚の過敏さにうまく折り合いをつけて適応する必要があります。

今回は、HSP(敏感すぎる人)が、職場で疲労を溜める原因と、それでも仕事を続けるための予防法について考えてみました。


HSPが仕事で疲れる7つの理由


HSPの疲労感は「脳」の疲れ
HSPは五感をはじめとした、刺激への鋭敏な感覚を持つがゆえに、ほかの人が感じていないことまで感じながら、日々過ごしています。
(中略) 肉体的には疲れていないけれど、脳が疲れている、つまり疲労はしていないけれど、強い疲労感がある状態なのです。
「敏感すぎる自分」を好きになれる本 長沼 睦雄 (著)より引用)

仕事は緊張感があり、誰しも疲れるものだと思います。

ですが、HSP(だと思われる)のみみじろーにとって、仕事場で起きるさまざまな出来事や職場の環境による刺激は、時に「聖剣エクスカリバー」並みの攻撃力の高さになるのです。

  1. オフィスの音、光、ニオイ
    打ち合わせや電話の話し声、蛍光灯の強すぎる白、人の体臭とPCの電子臭が混ざり合ったニオイ。全てが洪水のように襲いかかり、めまいと頭痛が続きます。

  2. ずっと人に囲まれている
    どんなに人間関係が良好でも、人の気配そのものがストレスになります。いつ話しかけられるかわからないので、勤務時間中ずっと緊張して筋肉がガチガチです。加えて忘年会、歓送迎会など業後のイベントが疲れに追い打ちをかけてきます。

  3. 昼休みの恐怖
    オフィスの休憩室は、いろいろな人のお弁当のニオイ、洗剤のニオイ、テレビの音、とにかくいろいろなものが混然一体としています。その中で至近距離で顔を突き合わせ、周囲を気遣いながら和やかにおしゃべりをするのは、レベルE難度の大技です。

  4. 時間や成果に対するプレッシャー
    仕事ですから成果に対する責任がつきまといます。一つの企画を首尾よく終わらせても、「次はもっと早く!もっと質の高いものを!進歩しなきゃ!」。過剰に自分を追い込んで心臓がはちきれそうになっています。

  5. 会議や交渉で意見が対立する場合がある
    たとえ建設的な議論でも、「相手の意に沿わないことがわかっている内容を互いに主張する」というシチュエーションには、いつも膨大なエネルギーを吸い取られ、会議後も「余計なことを言ったかな…」と悩み続ける羽目になるのです。

  6. ピリピリした雰囲気が辛い
    無言で責任の押し付け合い、締め切り前で切羽詰まった空気、同僚の背中から漂ってくる「ストレス満タン」のオーラ…皮膚がざわついてピリピリしてきます。

  7. 雰囲気の悪さに耐えられない
    怒号と罵声が飛び交う職場にいた時は、自分に言われているわけでもないのに、大きくて恐ろしい声を聞き続けるだけで、身がすくみ、心が豪速ですり減るのを実感しました。ダッシュで逃げ(退職し)ました。

「そんなの仕事だから当たり前」のことばかり。
なのに、週末になれば必ず発熱し、疲れて寝込むほどのダメージを受けてしまうのです。

以前は、こんな自分が残念で何もできない人のように思えて落ち込んでいました。けれど落ち込んでばかりいても、体が軽くなるわけではありません。

疲れやすいことも刺激に弱いこともわかっているのですから、少しでも快適に過ごせるように環境を整え、休養を見込んだ予定を立てればいいのです。

一定量を超える前に疲労を解消できる『疲労キラー』の称号を獲得することに決めました。


準備をしっかり!疲れる前の対処術


1. 1日の中で必ずひとりになる時間を確保する

どんなに親しくても、たとえ家族でも人の気配があると、なんとなく気になります。心から休めないのです。

お風呂と就寝時はひとりきりのリラックスタイム。

周囲に人のいない空間で、ほっとして全身の力を抜く時間を生活の中で確保しておくことは、「夜になれば休める」という安心感にもつながります。

これには家族の協力も欠かせません。
オットのこたぬきさんは、みみじろーが疲れて無言の時にはそっとしてくれて、自分はマイペースに過ごしています。ほどよい心遣いにいつも感謝です。


2. 予定を立てるときには休む時間もセットで!

現実世界では一瞬で効く回復魔法もアイテムもありません。休んで回復に充てる時間を見込むことが大切です。

プレッシャーのかかる会議があった週末は、なるべく外出の予定を入れないようにします。大好きな野球の応援もテレビ観戦で我慢。ゴロゴロしながら回復を図ります。

会社の飲み会も、なるべく不参加。どうしても断るとヤバい場合は、当日のダメージを最小限に抑え、翌日以降はなるべく予定を詰めないようにします。

>>> 人見知りの飲み会術:空気のような存在感で切り抜ける!


3. 自分の「お疲れレベル」の基準をもつ

みみじろーが参考にしているのは、次のレベル分けです。

「頑張ろう」とよく思うようになるのは疲れているサイン、「まだ頑張れる」と思うのは限界のサインです。「まだ頑張れる」と思ったタイミングで、頑張るのをやめましょう。
「敏感すぎる自分」を好きになれる本 長沼 睦雄 (著)より引用)

職場で無意識に「がーんばれ、がーんばれ」の独り言が出始めたら要注意。

頭の中のBGMを、ミュージカルAnnieのあの名曲「tomorrow tomorrow I love ya tomorrow〜」にチェンジ。明日に回せる仕事は翌日のTodoリストに移して、いそいそと疲労解消に取り組みます。


4.  倒れる前に逃げ出す覚悟をもつ

「どんな仕事をしたいか」と同じくらい、「自分は何が辛いと感じるか」をよく理解したうえで職場を選ぶことは大事です。

みみじろーの場合、毎日罵声が飛び交う「雰囲気の悪い会社」にいたときは、ダメージの大きさに回復が追いつきませんでした。

その他にも、新築のビルでありがちな、化学物質で毎日気持ちが悪い、目と鼻がヒリヒリしていたたまれないなど、生理的にどうしようもない場合だってあります。

職場の環境は、入ってみないとわからないことがたくさん。

消耗の度合いが大きく、「毎日ここに身を置き続けるのは無理」と判断したら、それ以上の我慢は無用。

「退却だって作戦のひとつ」ぐらいの覚悟は必要です。


上記のように予防しても、みみじろーのようにセミリタイアしてたくさんリフレッシュの時間をつくっても、仕事を続ければ日々の疲れはたまっていくものです。

それならいっそ、疲労回復魔法をしっかり習得して、さあこい疲労!どんとこい疲労!と言えるぐらいになってしまいましょう。

『疲労上等!』な回復方法については、この次に。