退職時の「引き継ぎ」の盲点

Published / by mimijiro

以前、退職直前に判明した衝撃の事実というタイトルで、退職を目前に危うく自分の業務がブラックボックス化しかけた出来事を書きました。

今回はその続き。業務引き継ぎの場面で「コミュニケーションはなかなか難しい・・」と思ったお話です。

後任者に引き継ぎの打ち合わせのアポイントをとりました。お互い時間がない身(みみじろーは退職モードに入ってすごく暇でしたが忙しいフリ)。後任者が困らないよう手際よく引き継ぎを・・と、マニュアルとは別にA41枚に業務概要、重要項目、着任後すぐに対応が必要な業務の手順をまとめました。

打ち合わせの時には「この紙1枚でとりあえず着任直後の業務は回せます!その間にマニュアルを読んで少しずつ把握していってくださいね!」ぐらいの勢いで、サクサクと話を進めるべく身構えていたのです。できたてほやほやの詳細なマニュアルも傍らに置いて。

ところが、引き継ぎは思いもよらない展開になりました。

現任者が伝えたい情報と、後任者が聞きたい情報の視点が違う!

「(サッと書類を出して)宜しくお願いします。まずこの書類の見方ですが、業務の概要と・・」
「あ。その前に、ここの事務所って責任者はAさんですよね?先に挨拶しておいた方がいいですか?他の皆さんは普段どんな風に仕事しています?」
「・・・はい??」

そう。後任者は全く別の事業所から異動してくるのです。
「業務はマニュアルがあれば試行錯誤で何とかするから、人間関係は?職場の雰囲気は?暗黙のルールはある?異動先の環境はぶっちゃけどうなの?辞める人の生の声が聞きたい!」・・という魂の叫びが聞こえてくるようでした。

後任者の不安いっぱいの顔に、思わず引き継ぎ書類を引っ込めて組織の話を始めてしまいました。仕事の優先順位を見誤った典型例と申せましょう。

後任者に聞かれるがまま真実を伝えることの功罪

プチ正直者のみみじろーは、自分が最近知った事実を素直にばらしてしまったのです。

「あ。この事務所の責任者はAさんなんですが、私の上司は隣町にある事業所のT部長だそうです。」
「ええ!?じゃあ、業務報告や相談は誰にするんですか!?」
「T部長になるかと・・。この業務は担当者に割と裁量があるので、着任したら後任者さんがやりやすいようにAさんやT部長と相談してくださいね」
「どうしたらいいんでしょうか?」
「(それはこっちが聞きたいよ)ひとまず業務が滞らないように、内容のご説明をしますね・・」

不安ですよね。「遠く離れた場所に上司の位置付けの人はいるみたいだけど、あなたのマネジメントはしなさそうだよ。」なんて。打ち合わせの目的を逸脱したみみじろーがうかつでした。職場の雰囲気や人間関係の話に触れずに済んだのがせめてもの幸いです。なにせプチ正直者なので。

「この人着任までずっと気が重いだろうなあ・・」と心苦しく思いつつも、何とか業務内容を引き継ぐことに成功。たとえ事実でも、解決策が曖昧な情報は相手の不安を膨らませることを学んだのでした。

業務引き継ぎの(みみじろー的)ポイントまとめ

  • マニュアルとは別に、重要項目や業務概要をまとめた資料を用意すると説明がはかどる
  • 自分は業務の引き継ぎのつもりでも、後任者は職場のお作法等、別の情報を求めている場合があることを覚悟しておく
  • そのうえで、あえて業務の引き継ぎを優先させる勇気を持つ
  • 異動後の人間関係は、後任者の人柄に委ねればいいと割り切る

今後、業務引き継ぎをする場面があれば(ないと信じたい)、今回の教訓を生かしたいと思います!