株式投資の判断は「予想通りに不合理」

Published / by mimijiro

デイトレードにチャレンジし始めて1ヶ月。

こたぬきさんが、毎日チャートとにらめっこして、上下する株価のリズムも掴みつつ、どうしたら運用成績が上がるかを模索中です。

でも実際には世界情勢や経済指標など目に見える材料だけではわからない相場の動きがたくさんあります。

「投資家心理」「消費者心理」と呼ぶのがぴったりの「気分」や「恐怖」。売りが売りを呼び、買いが買いを呼ぶ。

一つの水滴が波紋を広げるように、あるニュースがきっかけで、全く関係のない企業の株価まで連動して下がる事象は日常茶飯事です。

それは自分達も例外ではありません。「ここでもうしばらく持っておけば、利益が出たのに」「損切りして、別銘柄に手を出したら更に損失が出た」など、気がつけば同じような反省を繰り返して一喜一憂。どうして繰り返すんだろう?

そこで、目をつけたのが「行動経済学」。人間の心理や行動の要素を、従来の経済学のモデルに取り込んだ学問です。

ダン・アリエリー氏の「予想通りに不合理」を読んで参考にしました。

さまざまな実験を通して、どのように人が不合理な判断に至るのか、初心者のみみじろーにもわかりやすく説明されており、オススメです。

特に印象に残ったポイントは2つ。

1. 「信用」は貴重な公共財

信用の喪失はすべての関係者にとって長期的なマイナスの結果をもたらすだろうし、公共の信用を修復するには長い時間がかかる…(中略)いずれ、成功したい企業は、正直さ、透明性、誠実さ、公正な扱いを基本的な経営理念にすべきだと気づくに違いない。

特に、株を長期ホールドする時に、どの企業に投資をするか考える上で大事な視点だと思いました。

財務指標やチャートの動きももちろん重要。でも目に見えない「信用」という財産は1日で築くことはできないのですね。

2. 自分は「不合理な判断をする」存在であることを肝に銘じておく

感情、相対性、社会規範などの力は、行動に多大な影響をおよぼしているのに、わたしたちは自然にこの影響力をとんでもなく過小評価したり、全く無視したりしてしまう。
(中略)
私たちが情報を把握して消化する頃には、その情報はかならずしも現実をありのままに反映したものではなくなっている。
(中略)
いつどこでまちがった決断をする恐れがあるかを理解しておけば、もっと慎重になって決断を見直すように努力することもできる…

相場を作り上げているのは世界中の投資家たちそれぞれの心の動き。

行動経済学を学んだらちょっとでも、その思惑を読み解く一端になるかもと思いましたが、デイトレードであらゆる要素を織り込んで常に勝つことは難しそうです。

まずは、自分が自分にとって都合の良い「予想通りに不合理」な判断をすることをよく承知しておいて、周囲の条件に惑わされないよう、投資に関する自分達なりの基準を決めておきましょう。

人類の歴史の中でコツコツ積み重ねて遺伝子に染み付いた(?)不合理さに逆らうのですから、すぐに上手くいかなくても大丈夫。

トライ&エラーで、少しずつ軌道修正していきますよ。

次は、投資をする時にかかりやすい「バイアス」について書きたいと思います。