「パートでセミリタイア」がキャリアプランのトレンドになる!?

Published / by mimijiro

みみじろーにとって「リタイア」や「セミリタイア」は、「仕事人生を静かに終えて仙人になる」イメージでした。会社を離れたら職業のキャリアが終了すると考えていたのです。

でも甘かった!実際のセミリタイア生活は、思ったよりも暇が少なく、社会や人とのつながりが消えることもありませんでした。

退職後のメインの活動は、相談員のパートとブログの更新。好きなことに絞ると、「これも面白そう」「あれも学んでおきたい」と好奇心が湧いてきます。

仕事人生を終えるどころではありません。気付いたら、ハローワークの「専門実践教育訓練」の講座を申し込んでいました。

「企業を離れても、社会の中での役割や仕事(キャリア)は簡単には消えない」これが実感です。

これなら「パートしながらセミリタイア」だって、職業キャリアの一環なんじゃないか!?と、思い始めた時に出会った一冊の本。
そこには、みみじろーが思いもしなかった「キャリア」についての考え方が記されていたのです。

タイトルは「シャイン博士が語る キャリア・カウンセリングの進め方」。
著者のエドガー・H・シャイン博士は、組織開発やキャリア開発理論で有名な研究者です。

心惹かれたのは、「キャリア・アンカー」という概念。

(キャリア・アンカーとは)
個人が自分のキャリアを選択しなければならない場面に直面した時、いったい何をよりどころにすればよいのでしょうか。キャリアアンカーはその1つの答えとして、自分が本当に価値を置いていることは何かを知るための非常に有用なツールです。

何の職業に就くかというよりは、「生涯専門職で極めたい」「昇進してマネージャーになりたい」など、個人の中に船の錨のように根付いている、仕事をする上での価値観や生き方のことを指しているようです。

シャイン博士は、このキャリアアンカーを8つの型に分けて解説しています。

  1. 専門・職能別コンピタンス
    最も重要なのは、自分の専門能力を成長させるような仕事の機会を得ることです

  2. 全般管理コンピタンス
    どれだけ昇進できるかということによって、自分自身を評価します。

  3. 起業家的創造性
    自分の会社を立ち上げたいという起業家的創造性を持つ

  4. 保証・安定
    保証と安定を望みます。安定した給与や報酬、福利厚生の充実などです。

  5. 自立・独立
    (保証・安定アンカーの全く逆) できるだけ自由が得られる仕事を求めます。(中略)業務委託やパートタイムという働き方も気にしません。自由を得るために、不安定な給与や福利厚生も受け入れます。

  6. 奉仕・社会貢献
    給与や昇進よりも、自分にとって意味のある奉仕や社会のためになる仕事を続けていくことが重要です。

  7. 純粋な挑戦
    非常に困難な状況を乗り越えることを求めています。「今まで誰も成し遂げることができなかった」ということが、モチベーションにつながるのです。

  8. ライフスタイル
    個人のキャリアが多少おざなりになっても、自分と家族のニーズを含む幅広い文脈の中で、自分のキャリアを位置付ける(略)

みみじろーが求めるのは、まさに5の「自立・独立」だったのです!
もう少し詳しく見てみましょう。

世界全体の傾向として、この自律・独立のタイプのキャリアに対して寛容になってきているようです。(略)
組織を離れ、契約やパートタイムで仕事をする人たちはさらに増えていくでしょう。

世界中に仲間が増えつつあるのですね!心強いです。
そのうち、パートをしながら好きなことをやって生きている程度では「セミリタイア」を名乗れなくなるかもしれません。

キャリア・アンカーは、仕事を始めた頃にはまだはっきりせず、仕事を通して色々な経験をする中で「自分にとって何が大切なのか」に気付いて形成されるそうです。

今までの積み重ねを経て選択した「セミリタイア」。
自分の価値観を大事にして「キャリアを降りた」と思っていましたが、今こそ自分にとって「王道のキャリア」なのかもしれません。

そう信じてそっと歩んでいきたいと思うのです。