みみじろーが前職を退職し、セミリタイア生活に入ったのは、もう1年以上も前のこと。
緊張して、上司に退職の話を終えたその日は、「やった!退職をするぞ!」と達成感でいっぱいでした。
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問題はその翌日以降。気持ちはすっかり退職しているのに、あと2ヶ月も出勤し続けなければいけないのです。これはなかなかの苦行。
どこをひっくり返しても、今更モチベーションなどありません。でも、このまま2ヶ月意欲のない状態を放置するのも苦痛すぎる!
とりあえず、最低限のやる気を維持して円満に退職日を迎えることを目標にしました。
今回は脳科学の観点も取り入れつつ、退職まで最小出力でやる気を保つ方法を考えます。
1. やる気を損なう要因を極力排除する!
辞める職場とはいえ、退職のその日まではできるだけマシな気持ちで過ごしたいもの。
人間関係が悪化したり、望まない仕事を押し付けられたりしたら、ただでさえ低いモチベーションがゼロを通り越してマイナスになってしまいます。
まず意識したのは、最低限のやる気を維持する『土台の確保』です。
- 情報戦を制する
社員の退職は、大なり小なり周囲の人に影響を及ぼします。残る社員は嫌味の一つも言いたくなるかもしれません。みみじろーは、上司、総務と業務上必要な関係者以外には退職直前まで話しませんでした。同僚は感づいても、あえて掘り下げない職場文化が幸いしたのです。 -
普段通りの人間関係を保つ
特別なことをする必要はありません。いつも通りの表情、いつも通りの態度。それでも少し気持ちが開放的になって、周囲との関係にささやかな変化が生まれると知りました。
>>> 退職を通して気づいた「人間関係」の不思議 -
退職までの期間は短めに設定する
みみじろーいた会社は、就業規則に『退職2ヶ月までに申し出ること』と定められていました。正社員なら民法上は2週間前に申し出れば退職できますが、みみじろーが申し出たのは、ぴったり2ヶ月前。波風立てず、最短期間で退職することを目指しました。 -
計画的に有給を取ってリフレッシュする
「まとめて休むと職場に迷惑をかけるので」というもっともらしい言い訳で、週1日ペースで年休を設定しました。週5日に慣れた体には、週休3日ペースがとても余裕に感じられ、これならなんとか続けられそう!と思えました。 -
いつもより健康に気をつける
忙しくて緊張感をもって仕事をしているときはいいのですが、気が抜けるとすぐ胃腸炎や喉風邪に見舞われるのは悪い癖。体調が悪いと、とても意欲を保つことはできません。いつもよりも早寝、早起き。ゆっくり休養をとるようにしました。健康第一!
2. 脳の働きを味方につける
上記の土台が出来上がっていれば、とりあえずは乗り切れるような気がしますが、欲張りなみみじろーは更にもう一押し。
脳の働きをうまくつかって、ゼロのやる気を1にする方法を試しました。
参考にしたのは、「脳から変えるダメな自分 「やる気」と「自信」を取り戻す」。脳神経外科医の築山 節先生の本です。
タイトルの『ダメな自分』というところが気に入りました。
意欲あふれる人の啓発本的な「やる気↑」じゃなく、ダメなみみじろーの「やる気↓」をなんとかしてくれそうです。
印象に残ったのは、以下の一節。
やる気は自分で動くこと、分析することによって作り出すべきもの、と考えてください。
「やる気が起こらない自分」を変えるポイントは、次の三点です。
・ やる気は行動することによって蓄積されるエネルギーであると考える。
・ 適度な運動と作業により、脳の血流を良くし、また作業興奮を起こさせる。
・ 仕事や勉強を小さな課題に分解し、感情系の協力を得やすくする。
あれこれ考える前に、体を動かして、簡単なタスクをどんどん片付ければ、やる気は後からついてくる、ということなのですね。
それぐらいならなんとかできそうです。そこで工夫したのは2つ。
- 出勤は徒歩
元職場までは歩いて小一時間。歩きなら自信のあるみみじろー、退職まで徒歩出勤を続けました。今思えば、一駅手前から歩く程度で良かったのかもしれませんが、好きな音楽を聞きながら小気味よく歩くと、確かに活力が湧いてきたのです。 -
会社でやることをリスト化する
退職までのスケジュールや引き継ぎ書類を作るのはもちろん、それが終わっても困らないように、職場で過ごすための日々の雑用をリストにして、暇なときに手をつけるようにしました。
>>> 退職前にやることがない!暇になった時の過ごし方
3. 退職前だからできるお楽しみはコレ!
やる気が起きなくて苦労する中でも、退職前ならではのちょっとした楽しみがありました。
- 人間観察をする
退職直前に挨拶をすると、人の反応はさまざま。大方の人は暖かい言葉をかけてくれましたが、中にはちょっと辛辣なエールをくれた人も。人の性格が透けて見える瞬間です。相手の反応をこっそり伺うのも楽しいです。(もちろん自分の態度も見られているということですね。気をつけなきゃ。) -
職場近くの美味しいランチを名残惜しむ
行きつけの安ウマのお店、気になっていたのに先延ばしになっていたお店。職場を離れたら二度と行かないかもしれません。「今日のお昼はここ!」と思うと、出勤が少し楽しみになったのです。
退職までの2ヶ月間、あらゆる手を尽くしてなんとか乗り切りました。
退職日の「もう明日から来なくていいんだ!」と思った時の開放感は忘れられません。
サウナで限界まで我慢したあと水風呂に入る快感の100倍ぐらいです。めったに味わえるものではありません。
もしかしたら、思い切りストレスを味わって、退職日の開放感を満喫するのも風流…なのかもしれませんね(?)。