人見知りの会話術:上手なクレームの伝え方

Published / by mimijiro

人見知りにとっては、「人に苦情を言う」というのはかなりハードルが高い行動です。

できることなら、そのような機会に遭遇せず生きていきたい。けれど人生の中では、何度となく自分の意見を主張しなければならない状況が現れます。

今回は、そんな「人に物申す」のが苦手な人が、上手に主張を伝えるための工夫について考えてみました。

クレームを伝えよう!と決断するまでの心情の変化

みなさんは、どのような時に「苦情を言う」「クレームを入れる」という行動を選択するでしょうか?おそらく、「顧客として期待した反応が得られず困ったとき」が多いのではではないでしょうか。

「カレーうどん」を頼んだのに「おかめうどん」が出てきた、購入したばかりの家電の調子が悪い、高級旅館で枕にカビが生えていた、など。

こんなとき、「取り替えてもらおう」と冷静に考える前に、まず「こんなはずじゃなかったのに!がっかり…」と、ネガティブな感情が動いてしまいがちです。

みみじろーの場合もそうでした。
以前のブログで、矯正歯科からモニターレンタルしていた矯正用の機器(加速装置)が故障したことを書きました。

このとき、加速装置が故障してから交換してもらうまでのプロセスの中で、いろいろな葛藤があったのです。

  1. 機器が故障したことによる感情の乱れ
    今回故障したのは、矯正の加速装置。機器が使えなければ矯正期間が倍以上に延びてしまいます。「なんで今壊れるの?」(困惑)「指示通りに使ったけど、自分が壊した?」(心配)

  2. 相手の反応が期待通りではないことによる怒り
    故障した翌日にクリニックに持参したところチェック後に「特に問題ありませんよ。一時的なものじゃないでしょうか」とそのまま返されてしまいました。疑念を抱きながら帰宅し、使おうとするとやっぱり動かない!
    「だから壊れてるって言ったのに!」(怒り)「無料レンタルだから壊れても補償はしないということ?」(不信)。

ネガティブな感情が色々とこみ上げてきて、ぐったりです。もう一回主張するしかないけど、今の気持ちのまま伝えたら、ただの「文句」になってしまいそう…。

こんなときこそスペシャリストの知恵。さっそく「最新版「言いたいことが言えない人」のための本(畔柳 修 著)」を手に入れて熟読したのでした。

「アサーティブな」クレームの伝え方

この本は、「アサーティブ」なコミュニケーションの取り方についてわかりやすく書かれています。

「アサーティブ」とは、自分の気持ち・考えを「攻撃的になることなく」「萎縮することなく」適切に伝える態度・ふるまいのことを指すそうです。まさに、いまのみみじろーが求めているものにぴったりです。

本書に書かれていたポイントに沿って、自分の気持ちを冷静に整えていきました。

気持ちを伝えるポイント

  1. 最終目標は?
    怒りを今ここで表現することと控えることでは、自分の目指す目的を達成するうえでどちらが適切なのか。

  2. 非難しない
    素直に自分の怒りを表現したとしても、相手はそれを「非難された」と感じ、防衛的になる。

  3. 改善したいのか、批判・糾弾したいのか
    状況を改善したいのなら、自分自身に素直になるように努め(中略)、相手に正直に伝える。

  4. 八つ当たりしていないか
    ある人に対して怒りを抱いていると、それらの不満や怒りを別の人に対して向けてしまうことがある。
    最新版「言いたいことが言えない人」のための本(畔柳 修 著)より引用

最終目標は、加速装置が正常に動作するようになること。状況を的確に伝えられるよう、動作不良時の様子を動画に収めます。

そして、気持ちをあらたに再度矯正歯科に電話で予約をとりました。

「先日見ていただいた機器の件ですが、赤いランプの点滅が止まらず動作しないままです。お手数ですけれど、もう一度確認していただけないでしょうか?」 

二度目ともなると、こちらの緊迫度が伝わるようです。スタッフさんによる入念な確認の結果、機器の不良であったことが発覚。すぐに謝罪とともに新品に交換してくれました。

怒りをあらわにして伝えても交換してくれたと思いますが、通院のたびに気まずくなることでしょう。信頼関係を保ちながら治療を継続するためにも、「適切に伝える」ことは大事なのですね。

ネガティブな感情が湧くと、顔が熱くなったり、鼓動が早くなったり、「怒りの体感」によってみみじろーは疲れ果ててしまいます。

適切に気持ちを伝える術を身につけることで、無駄に疲れることなく穏やかに生きていきたいと願うのです。