矯正は順調に進み、歯が動いている一方で、悩ましいのは矯正治療中の虫歯の問題。
インビザライン矯正は、アライナーが取り外せるため普段と変わらずに歯磨きが可能なうえ、万一虫歯になっても治療ができるという利点があります。
にもかかわらず、前回書いた通り、定期歯科検診に行った際に2本も虫歯がみつかってしまいました。
完全に虫歯治療を済ませてからわずか2ヶ月のできごとです。
矯正のおかげで間食はしません。歯磨きも丁寧にしているつもりなのに、どうしてこんなに虫歯になりやすいんだろう?歯医者さんと歯科衛生士さんに聞いてみました。
矯正中に虫歯が増える原因
1. インビザライン矯正は唾液の巡りが悪い
インビザライン矯正は”アライナー”と呼ばれるマウスピースをすっぽりと歯に被せます。すると、殺菌効果のある唾液が歯の表面に行き渡らず、虫歯リスクが高くなるそうです。
唾液は、消化作用、食べ物を飲み込む手助けをはじめ、口の中の自浄作用、殺菌作用、粘膜の保護、味わうことを助けるなど、いろいろな働きをもっています。よく噛むことによって唾液の分泌が活発になります。
はじめよう口腔ケア(発行 財団法人8020推進財団)より引用
対処は、食べるときによく噛んで唾液を出すこと、すみずみまで歯を磨くこと、最後に殺菌効果のあるデンタルリンスで口をゆすぐこと、とのことです。
2. 歯が移動することで隠れていた虫歯がみつかる
みみじろーの歯並びは叢生(八重歯)のため、前歯の裏側と隣の歯が重なり合っていました。前歯が平らに並んできたことで、重なっていた部分にできていた虫歯がみつかったそうです。虫歯になりやすいというよりは、発見しやすくなったのですね。
虫歯になったらどうするの?
1. どこで治療する?
矯正中に「あれ?しみる?虫歯かな?」と思ったら、勝手に歯科通院せずまず矯正の先生に相談。虫歯かどうか(知覚過敏の場合もあります)、どのように対処したらいいか診てもらいましょう。
大事なのは、矯正の先生と虫歯治療の先生で情報共有できるかどうか。
みみじろーは、矯正専門の歯科と虫歯治療の歯科を分けて通院しています。今の虫歯治療の先生は矯正歯科で紹介されたので、治療の経過を共有してもらえました。
矯正の先生は最初「かかりつけの先生がいれば連携とりますけど…」とは言ってくれましたが、その表情と言葉の濁し方を見ると、やはり普段からやりとりのある歯科同士のほうが良さそうです。
2. どこまで治療してもらえる?
アライナーはすでに全段階の分ができあがっています。虫歯を削って被せ物の治療をすると、残りのアライナーが合わなくなるため、虫歯の状態によっては、治療せずに様子をみることもあるそうです。
矯正歯科では、「虫歯がどうしても痛くて歯根の治療などが必要な場合は、一回矯正をストップして虫歯治療し、そのあとにアライナーを作り直す場合もあります」とのお話でした。
幸い、今回の虫歯は2本とも普通に治療が受けられました。虫歯が歯茎に近い場所にあったため、歯茎を少し押し下げて削ることで治療箇所がアライナーに当たらなくなりました。
アライナーがかぶる部分で、詰め物や被せ物で形が変わるような治療は難しいそうです。
面倒なことにならないためにも、できるだけ予防したいものですね。
3. インビザライン矯正中に虫歯治療をするときの注意
麻酔、治療、クリーニングなどを行うと、治療が1時間を超えることもしばしば。それでも20時間/1日のアライナー装着時間は守る必要があります。
歯磨きの時間を省くわけにはいきませんから、
(1)治療の直前にアライナーを外す
(2)治療が終わったら即アライナーをつける
(3)食事で外す時間を短くする(アライナーを外さずに流動食で済ませて歯磨きのときだけ外すなど)
(3)は「よく噛む」という唾液の鉄則に背いてしまいますが、1回くらいは仕方ないと割り切っています。
インビザライン矯正中の虫歯トラブル予防法
矯正中に虫歯になっても、前述の通りいくつかの対処方法はあるようです。でも、虫歯にならずに最小出力で矯正の期間を乗り切りたい。
そのためには、やっぱり予防!そして早期発見!矯正中も矯正が終わってからもできる虫歯トラブル防止法を並べてみます。
- 矯正開始前に虫歯を断つ!
みみじろーが歯列矯正を始めるとき、矯正の先生から「特に虫歯はなさそうですね。問題なく始められますよ」と言われました。安心して契約した後、抜歯のために行った歯科で「虫歯だらけです」とのショックな宣告。1年半も治療に費やすことになったのです。同じ「歯医者」でも専門分野次第で見立てが全然違うんだなあと思い知りました。矯正専門医での矯正を考えている方は、先に一般歯科で念入りに治療してもらった方がいいかもしれません。 -
歯磨きこそ正義!
歯科衛生士さんから「みみじろーさんはよく磨けていますけど、虫歯になるのはやっぱり歯ブラシが届きにくいところなんです。だから頑張りましょう」と激励されました。「とにかく歯垢を残さない、虫歯菌を殲滅する」は虫歯予防の王道なのですね。 -
アライナーは清潔に!
せっかく綺麗に歯を磨いても、アライナーが不衛生なままでは虫歯の元。外したときに中性洗剤と柔らかい歯ブラシでしっかりと汚れをおとしましょう(歯磨き粉はアライナーに傷がつくのでNGです)。マウスピース専用洗浄剤を使うのもいいかもしれません。 -
歯を強化する!
よく噛むことはもちろんですが、歯の成分であるカルシウムを含む食品や、ビタミン類をバランスよくとって内側から歯を健康にするのも大事ですね。
歯科衛生士さんから歯を丈夫にする「フッ素ジェル」も勧められました。水で簡単に流れてしまうので、歯磨きの後に塗り、しばらく水分摂取やうがいを控えるといいそうです。 -
定期歯科検診とクリーニングで隙をなくす!
頑張って磨いても、所詮は素人。自分ではどうしても見落としがあります。定期的に歯医者さんでクリーニングを受け、磨けていない部分があれば聞いちゃいましょう。もし虫歯ができていても早期発見できます。
そもそも、歯列矯正を決意したのは「この先ずっと健康な歯でいたい」と思ったから。
歯列矯正を乗り切るためだけではなく、その先も歯の健康は保ち続けたいのです。
次回は、歯科衛生士さんもオススメ!みみじろー愛用の口腔ケアグッズの全てを大公開しますよ。