外貨建て個人年金のリスクヘッジと税金について考える

Published / by mimijiro

以前、リタイア後の資金に、米ドル建て年金を活用していることを書きました。今の日本は超低金利。多くの生命保険会社が、日本円よりも高い利率の外貨建て年金商品を販売しています。

外貨建て年金は高利率の反面、さまざまなリスクが指摘されていますが、みみじろー達は将来的には円安傾向だろうと予測し、最小出力でリスクヘッジしながら外貨に資産を分散しています。


外貨建て年金のリスクと、その対策は?

1. 為替リスクがある(支払い時、受け取り時の為替変動で利益が上下する)

  • 外貨口座を開設する。ドルで積み立て、ドルで受け取る体制を整える。
  • 円高の時に払込用の米ドルを大量に仕込む。→ 仕込んだ外貨の一部は、支払に使うまでのあいだ米ドル建ての投信で運用する。
  • 将来は毎月米ドルで年金を受け取る → 円安のときにまとめて円に交換する。

2. 銀行の取り扱い手数料、為替手数料、送金手数料などを引くと思ったより利益が残らない

  • 銀行の取り扱い商品は手数料が高いのでそもそも手を出さない(保険会社が直接販売する商品の中から選ぶ)。
  • 外貨取り扱い銀行の手数料0円キャンペーン等を活用して、為替手数料を抑える。
  • 一定額以上の貯蓄など、送金手数料が無料になる条件をクリアして送金手数料を抑える。

3. 支払いが継続できずに途中解約すると、元本割れのリスクがある

  • 無理のない支払額を最初に設定する。
  • 万一支払いが厳しくなった場合に備え、契約前に何年掛ければ解約金が年金原資を上回るか、その年数のリスクはとれるかよく考える。

もちろん、対策をしたところで受け取り時にドル安が進み、想定した運用益が得られない可能性はあります。投資にリスクはつきもの。あとは覚悟を決めましょう。

ところで、もう一つ考えたい要素は受け取り時の「税金」。
利益はどう計算されるの?為替変動による利益はどう考えたらいいの?どんなふうに徴収されるの?疑問は尽きません。

担当の保険屋さんとは、かなり長いお付き合い。疑問に思うこともいろいろ丁寧に教えてくれて助かっています。
さっそく時間をつくってもらい、自分たちの年金と税金の関係を教わってきました。


外貨建て年金の税金はどんな風に計算されるの?

1. 年金の受け取り方によって所得の種類が変わる。

  • 一括受け取りの場合 → 一時所得になる。(退職金のように控除額が大きい)
  • 終身で受け取る場合 → 雑所得で総合課税になる。

定期的な収入がある方が安心できるため、終身年金を選ぶつもりです。

2. 基本的な利益の考え方

税金は「利益」に対してかかります。
利益=(受け取り年金総額)-(年金金額に対する必要経費(払込み総額))

払込み総額は満期の払込終了時点で確定しますが、問題は受取額の計算。終身で受け取る場合には、何歳まで生きるかなんてわからないですよね?
なので、満期時には余命年数表(所得税法施行令・別表)を基に、受け取り総額を算出するそうです。これでドルの利益が確定します。

3. 為替の利益を含めた税金の計算方法

  • 年金受け取り額の円換算 :年1回の契約応答日前日のレートで円換算。受け取った米ドルをいつ円に替えるかは関係ない。
  • 払込総額の円換算 :購入時のレートではなく、毎回の払込日前日のレートで円換算。その合計額が払込総額になる。

このルールを踏まえて、受け取り時に支払う税金を計算します。税金は源泉徴収されるようです。
源泉所得税額(年額) = (年間の合計受取額(円換算後))-(払込総額(円換算後)/受け取り予定(余命)年数)x10.21%


この計算は、みみじろー達の入っている保険屋さんの説明なので、一般的なものかどうかはわかりません。もし加入している方がいたら、ぜひ担当の方に確認してみてください。

なんだかややこしい話でしたが、受け取り開始まであと10年位。今まとめておけば、受け取り時にも何かの役に立つことでしょう。