転職に失敗!?合わないならすぐ辞めてもいい?退職のタイミングとキャリアへの影響を考える

Published / by mimijiro

家族・生活状況、やりたい仕事がある…など、さまざまな理由で、転職を繰り返し、今の勤め先で5社目。

何度繰り返しても、転職したての時期は緊張し、疲れるものです。慣れない環境、人、文化。
張り切って入社しても、どこかに「ここでずっと働き続けられるの?」という不安感もあります。

もちろん、「失敗した!」と思うことも。

今回は、転職して(あるいは入社直前に)すぐに「失敗した!合わない!」と思った時、どんなふうにその後の行動を考えるかのお話です。


1. 第一印象はだいたい正しい

会社の人間関係などは、面談や短時間の職場見学では見抜けない場合も多いです。

また、会社の雰囲気はどうも好きになれないけど、どうしてもやりたい仕事だからダメ元でチャレンジしよう、と入社を決めたこともあります。

残念なことに、入社した瞬間に「やばい!失敗か!?」と直感したら、ほぼ間違いありません。我慢して働き続けても退職まで合わないままでした。

『第一印象は裏切らない』 今までの転職で得た教訓です。

この前提に立って、すぐに撤退したほうがいいか、我慢して得られるものがありそうか、我慢する上限期間を判断します。


2. 『気持ちの数値化』で撤退時期を考える 

会社が変われば、仕事の進め方も、コミュニケーションの取り方も、価値観や優先事項も大きく変わります。

これまでの経験ではありえなかったことが、新しい職場では常識の場合もあります。

転職直後は、新常識に戸惑いつつなんとか適応しようとして緊張と疲労の連続。

疲れている時は、過剰にネガティブに捉えがちです。職場の忙しそうな雰囲気を目の当たりにするだけでも、「ブラックな職場!?」と勘違いしそうになります。

そんなときはとにかく眠る。眠って、少し気力を取り戻したら「辞めるか、踏みとどまるか」自分に問いかけます。

『辞めたい気持ちは10点満点のうちどれくらい?』

  • 9点以上 → なり振り構わず即撤退

  • 7〜8点 → 退職時期を検討します。転職活動への影響を考えて、一通りの業務をモノにできるまで我慢する場合もありました。また、キリがいい時期(期末など)を退職時期の目安にすることも多かったです。

  • 4〜6点 → 迷うところですが、退職はいつでもできるので暫定的に継続。 その間に状況の改善方法を探ります。

  • 3点以下 → 辞めたいと思ったのはいっときの気の迷い。相性のいい職場に感謝して「残留」

「あと1ヶ月いればボーナスがもらえるから…」「失業手当の受給資格が手に入るまでは…」と、細かい条件に目がくらみ始めると、自分の気持ちがわからなくなってきます。

上記のように数値化し、「自分の気持ちがどちらに向いているのか」を確かめてから、細かな条件を吟味したほうが、泥沼にはまらずに済むことを学びました。


3. 過去の仕事が自分を助ける日が必ず来る

みみじろーにとって、もっとも残念な職歴は新卒で入社した金融系の会社。今の専門(相談職)のキャリアとは、一見無関係な「The・事務職」です。

バブル崩壊後の就職市場で運良く入社したものの、「なんでこんなに合わない仕事を選んだのか」と毎日後悔しながら5年間惰性で続けました。

ところが、このとても苦痛だった職歴が、今のみみじろーの転職活動を支えているのです。

そのことに気づいたのは、「キャリアコンサルタント養成講座」の教育訓練給付金申請のために、ハローワークで『訓練前キャリアコンサルティング』を受けたとき。

>>> ハローワークの訓練前キャリアコンサルティング(準備編)
>>> ハローワークの訓練前キャリアコンサルティング(当日編)

担当のキャリアコンサルトさんから、「キャリアコンサルタントを目指すなら、金融機関の経験はメリットになると思いますよ。会社の仕組みを知っていないと行き詰まりますからね。」と言われました。

たしかにそうです。もしずっと相談員の仕事しかしていなかったら、ビジネスのイロハも、ノルマのプレッシャーも、お金を扱うシビアさも実感できなかったかもしれません。

実際、会社員向けの相談員の求人は「一般企業経験のある方を望む」と書かれている場合が多く、5年間我慢したおかげで応募条件をクリアできているのです。

you can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backward. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future.

(未来を予測して点をつなぐことはできない。過去を振り返ってつなぐだけだ。だから、将来なんらかの形で点と点がつながると信じなければならない。)
スタンフォード大学HPより引用

Apple社の元CEOの故スティーブ・ジョブズが、母校のスタンフォード大学で行ったスピーチの一節です。

振り返ってみれば、経験してきたすべての仕事が重なり合い、今のキャリアにつながっていると実感できます。


「転職先選びに失敗した!」という時の感覚は、本人にしかわかりません。

周りは「もっと我慢したほうがいい」「いや転職すべきだ」と、いろいろ助言をくれるかもしれません。けれど、選択した進路の上に立つのは他でもない自分。

己を守るための戦略的撤退か、一定の経験をするための持久戦か。

どちらを選んでも、必ず将来にこの経験が活きると信じて、自分の進む道を決めたいと思うのです。